■改正育児・介護休業法が2025年4月から施行されます
■改正育児・介護休業法が2025年4月から施行されます
(働き方ブログ)
みなさま、こんにちは。
注目されていた改正育児・介護休業法が、2024年5月31日に公布され、2025年4月1日段階的に施行されることとなりました。
すべての企業で対応が必要となる法改正でもあり、その概要を確認しておきましょう。
厚生労働省のリーフレット「育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法 改正のポイント」には、改正点の概要として次の項目が示されています。
柔軟な働き方を実現するための措置等が事業主の義務になります
所定外労働の制限(残業免除)の対象が拡大されます
育児のためのテレワークの導入が努力義務化されます
子の看護休暇が見直されます
仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮が事業主の義務になります
育児休業取得状況の公表義務が300人超の企業に拡大されます
介護離職防止のための個別の周知・意向確認、雇用環境整備等の措置が
事業主の義務になります
2・次世代育成支援対策推進法の改正ポイント
法律の有効期限が延長されました
育児休業取得等に関する状況把握・数値目標設定が義務付けられます
==
これらの改正ポイントを施行日別に整理すると、このような対応が必要となる予定です。
==
【2025.4.1施行】
・(育児)残業免除の対象拡大 所定外労働の免除を、小学校就学前の子まで延長する(現行3歳未満)
☆↑就業規則変更が必要
・(育児)テレワーク導入努力義務 3歳に満たない子を養育する従業員がテレワークを選択できるようにする
・(育児)子の看護休暇の見直し 取得事由に感染症に伴う学級閉鎖等と入園(入学)式、卒園式を追加するとともに、小学校3年生修了までに延長する(現行では小学校就学前)
☆↑就業規則変更が必要
・(育児)子の看護休暇対象者見直し 労使協定の締結による取得除外従業員のうち、「引き続き雇用された期間が6ヶ月未満」を廃止する
・(育児)育児休業取得状況の公表義務拡大 従業員数300人超の企業について、男性従業員の育児休業等の取得の状況を公表対象とする(現行1,000人超)
・(介護)個別の周知・意向確認 介護に直面することを申し出た従業員に介護両立支援制度等を企業が個別周知し、意向を確認する
・(介護)情報提供 介護に直面する前の早い段階(40歳等)の従業員に介護両立支援制度等の情報提供を企業が行う
・(介護)雇用環境整備 研修実施、相談窓口の設置等、介護の両立支援制度を利用しやすい雇用環境を企業が整備する
・(介護)テレワーク導入努力義務 要介護状態の対象家族を介護する従業員がテレワークを選択できるようにする
・(介護)介護休暇対象者見直し 労使協定の締結による取得除外従業員のうち、「引き続き雇用された期間が6ヶ月未満」を廃止する
【2025.4.1~2025.11.30施行で今後決定されるもの】
・(育児)柔軟な働き方を実現するための措置 3歳から小学校就学前の子を養育する従業員に対し、短時間勤務制度、始業時刻等の変更、テレワーク等、保育施設の設置運営等、新たな休暇の付与から2つ以上を企業が選択し、従業員が1つを選択できるようにする
☆↑就業規則変更が必要
・(育児)個別周知・意向確認 3歳から就学前の子を養育する従業員に対し、柔軟な働き方を実現するための措置を企業が個別周知し、意向確認する
・(育児)個別の意向聴取・配慮 妊娠・出産の申出時、子が3歳になる前に、仕事と育児の両立に関する個別の意向を企業が聴取し、配慮する
==
なお、今回の改正法には衆議院・参議院とも附帯決議があり、今後、所定外労働の制限や時間外労働の制限、深夜業の制限について子の対象年齢などの必要な検討が労働政策審議会で行われる見込みです。
首都圏でもテレワークへの取り組みを積極的に進めてきた東京都においても、合計特殊出生率が公表数値として初めて1を割り込み0.99となるなど子育て支援への取り組みを定着させて、安心して次世代の育成がはかれる社会を作っていく必要があります。
今回の改正法でテレワークの導入が努力義務化されるなど、良質なテレワークを通じた新しい働き方の定着への取り組みがすべての企業に努力義務として求められる時代となりました。
当事務所では、テレワーク専門社労士として、日本テレワーク協会とご一緒にテレワークを通じた新しい働き方が当たり前になる時代となるようこれからも活動してまいります。
2024年6月6日
小林勝哉社会保険労務士事務所 代表
特定社会保険労務士 小林勝哉
(参考)
・厚生労働省 リーフレット「育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法改正ポイントのご案内」
・厚生労働省 令和6年改正法解説資料
・厚生労働省 「育児・介護休業法について」
・参議院 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議