■健康診断と事後措置の徹底を

■健康診断と事後措置の徹底を
(働き方ブログ)

みなさま、こんにちは。
企業では、従業員の方の健康診断の実施とその後の事後措置は、健康を守るために非常に重要な取り組みです。
健康経営の基本でもある健康診断と事後措置を、労働安全衛生法に沿ってきちんと徹底していくことが大切です。

小規模事業所では、産業医がおられないケースも多くありますので、以下の手順を参考に取り組みを点検しましょう。

まず、健康診断の実施と事後措置の概要です。
1・定期健康診断の実施: 労働安全衛生法に基づき、企業は年に一度、従業員に対して定期健康診断を実施する義務があります。
2・健康診断結果の受領: 健康診断が終わったら、医療機関から診断結果を受け取ります。
3・結果の通知: 健康診断の結果を従業員に通知し、必要に応じて追加の検査や治療を促します。
4・専門医の意見聴取: 異常が見つかった場合、保健医や産業医から意見を聞きます。
5・就業上の措置: 産業医の意見を基に、従業員に対して適切な就業上の措置を行います(例: 労働時間の短縮、作業の転換など)。
6・報告書の提出: 労働基準監督署に定期健康診断結果報告書を提出します。

よくあるご質問では、このようなものもあります。
Q/健康診断結果の受領は、市町村の健診結果でもよいか。
A/市町村の健診結果には労働安全衛生法で求められる必須の検査項目が含まれていない場合がありますので注意しましょう。例えば後期高齢者の健診結果では、聴力の検査項目がありません。
Q/専門医の意見聴取は、異常が見つかった場合とはどのような場合か。
A/厚生労働省では、「有所見」「所見のあった」とは、「定期健康診断等の結果、何らかの異常の所見が認められたことをいう。通常、医師から要経過観察、要治療、要再検査などの指示(判定)がある。」とされています。
Q/専門医の意見聴取は、産業医の意見聴取とされているが、小規模事業所で産業医がいない場合はどうすればよいか。
A/小規模事業所で産業医がいない場合は、地域産業保健センターに無料で相談したり、産業医紹介会社や地域医師会に紹介を依頼したりして、医師の意見を聴取することができます。
地域産業保健センターは独立行政法人労働者健康安全機構が運営しており、労働安全衛生法で定められた産業保健サービスを提供しています。ただし、利用回数に制限があるほか、産業医の紹介・斡旋をしているわけではありません。

労働安全衛生の確保は、安全配慮義務の基本でもあります。
みなさまの事業所での取り組みは、いかがでしたでしょうか。

当事務所では、経営労務監査などを通じて適正な法令順守の点検とともに、制度運用の改善提案を行っております。
社員の笑顔溢れる職場作りを、ご一緒に進めてまいりましょう。

2024年10月19日

小林勝哉社会保険労務士事務所 代表
特定社会保険労務士 小林勝哉

(参考)
健康診断の実施と事後措置の概要 大垣市医師会

主な用語の定義 厚生労働省

健康診断を実施し、事後措置を徹底しましょう 秋田労働局

労働安全衛生法に基づく健康診断実施後の措置について 厚生労働省

地域産業保健センター 独立行政法人労働者健康安全機構