■年金制度改革(基礎年金底上げ)について

2025年10月22日

■年金制度改革(基礎年金底上げ)について
(年金ブログ)

みなさま、こんにちは。
5年ごとの公的年金の2024年財政検証を受けて、2025年に年金制度改革法が成立しました。
ここでは、年金制度改革法の中から、いくつか特徴のある改正点を見ていきましょう。

はじめに、基礎年金の給付水準底上げ策についてみてみましょう。
これは、1階部分の基礎年金と2階部分の厚生年金のバランスを調整し、基礎年金の再分配機能を強化するための、制度の部分的な改修です。

公的年金は、保険料負担の上限を定めているため、決められた財源の範囲で給付する制度となっています。
そのため、年金財政が破綻しないように給付水準を調整する「マクロ経済スライド」が導入されています。
今後も実質ゼロ成長が続く場合は、基礎年金は2057年度まで調整が続くこととなって、所得代替率が36・2%から25・5%へと3割程度低下すると見込まれています。

そこで、5年後の次の2029年の財政検証で基礎年金の大幅な水準低下が見込まれる場合に、必要な措置を講じることとされました。
具体的な措置の候補としては、厚生年金積立金の基礎年金への配分を増やして基礎年金の調整を早く終わらせる方策が考えられています。
一時的に厚生年金の給付水準が下がる方には、影響を緩和する措置も考えられています。

次の2029年の年金財政検証に注目しましょう。

当事務所は、障害年金相談室を開設しております。
どうぞ安心してご相談ください。

2025年10月17日

小林勝哉社会保険労務士事務所 代表
特定社会保険労務士 小林勝哉

(参考)

第25回社会保障審議会年金部会資料 2025年6月30日 厚生労働省

将来の公的年金の財政見通し(財政検証) 厚生労働省

年金制度改正法が成立しました 厚生労働省

将来の基礎年金の給付水準の底上げについて 厚生労働省

・所得代替率の改善 厚生労働省