■ストレスチェック義務化へ早めの体制整備を

■ストレスチェック義務化へ早めの体制整備を
(働き方ブログ)

みなさま、こんにちは。
2025年5月に公布された改正労働安全衛生法により、2028年4月から労働者数50人未満の事業場でもストレスチェックの実施が義務付けられます。
大規模事業場に比べて人員や体制面で余力の少ない小規模事業場でも円滑に実施できるよう、厚生労働省は2026年2月「小規模事業場向けストレスチェック実施マニュアル」を公表しました。
ここでは、義務化に向けて何から準備を始めればよいか概観しておきましょう。

ストレスチェック制度は、労働者のストレスを把握するための検査(ストレスチェック)と、その結果で高ストレス者とされた労働者からの申出により行う医師の面接指導および就業上の措置、ストレスチェックの結果を集団ごとに集計・分析して職場環境の改善を図る集団分析・職場環境改善により構成されるものです。
ストレスチェックで義務化される事項はストレスチェックの実施と医師の面接指導および就業上の措置ですが、努力義務である集団分析・職場環境改善も重要です。
これからの準備期間には、社内ルールの策定、検査を委託する実施期間、面接担当医師の決定といった体制整備とともに、検査実施から事後措置までの流れを整理していく必要があります。

小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアルでは、労働者のプライバシー保護を前提としつつ、実効性のあるストレスチェック制度の運用方法を示しています。
制度導入にあたっては、事業者がストレスチェックの目的を正しく理解して準備を進めていくことが重要になります。
マニュアルでは、ストレスチェックを「労働者のメンタルヘルス不調の未然防止」を主な目的とする制度と位置付けています。
検査結果を本人に通知することで、労働者自身がストレス状態に気づき、セルフケアにつなげることができます。
また、高ストレスと判定された労働者には医師による面接指導の機会を与えて、その結果を踏まえて業務量の調整など必要な就業上の措置を講じることができます。

ストレスチェック制度の導入の流れは、次のようになります。
まず、事業者は制度導入方針を決定して、事業場内に表明します。
そのうえで、労働者の意見を聞きながら、実施体制や情報管理の方法などを定めた社内ルールを策定して周知を図ります。
社内ルールでは、実施体制や実施方法のほか、検査結果が本人以外に漏れないよう適切に管理すること、検査結果や面接指導の申出を理由とした不利益な取扱いを行わないことなどを明確にしておく必要があります。
そして、安全衛生推進者やメンタルヘルス推進担当者のなかから実務担当者を選定して、ストレスチェックを実施する委託先を選定・契約します。

小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアルでは、社内実務担当者の選任やストレスチェックに関する社内ルールの作成・周知などを事業者に求める一方で、ストレスチェックの実施自体は外部機関へ委託することを推奨しています。
外部機関を活用すれば事業者の負担軽減は期待されますが、委託席の選定がポイントとなります。
そこでマニュアルでは、委託先候補の外部機関から、サービス料金体系や実施体制、情報管理などについて、あらかじめ説明を受けておくよう促しています。
具体的には、外部機関に「サービス内容事前説明書」を作成・提出してもらい、ストレスチェックの「実施者」が必要な資格を有しているかどうかや、チェック結果の評価表法や高ストレス者の選定方法が法令の要件を満たしているかどうか、労働者一人当たりの実施費用およびオプション費用などについて説明してもらうことを想定しています。
複数の外部機関に対してサービス内容の説明を依頼し、自社に合った委託先を探してみると良いでしょう。

小規模事業場では、特にプライバシーの厳守ができるか、不利益取扱いにつながらないようにできるか、が問われます。
メンタルヘルスに関する個人や企業の相談窓口としては「こころの耳」があります。
医師の面接指導などの産業保健サービスについては、地域産業保健センターなどとの関係構築も大切ですね。

当事務所では、治療と仕事の両立支援コーディネーターとして、従業員の皆様が安心して働き続けられる職場環境構築のお手伝いをさせていただいております。
どうぞ安心してご相談ください。

2026年7月30日

小林勝哉社会保険労務士事務所 代表
特定社会保険労務士 小林勝哉

(参考)

・厚生労働省 ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策

・厚生労働省 小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル

・厚生労働省 ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会