■健康経営という希望

■健康経営という希望
(働き方ブログ)

みなさま、こんにちは。
東京都でも新型コロナウィルス感染症のまん延防止措置が適用されることとなりました。
多くの企業・社員のみなさまは、たとえ足元が暗くても自分自身が光となればよいとの強い希望を胸に進んでおられることと思います。

今日は、私たち一人一人が備えている、そんな強い希望を生み出す力のヒントを考えてみたいと思います。

私たち一人一人の身体は、約37兆個ともいわれる細胞から成り立っており、その一つ一つの細胞の核に遺伝子が入っています。
2003年に完了したヒトゲノムの解読研究の結果、どんな人を比べても99.9%が同じDNAを持っていることがわかりました。
この結果、DNAの遺伝子以外の部分で一人一人の性質が作られているということがわかってきたのです。

危機に対する生命の防御機能の一例が、ヒートショックプロテイン(HSP)です。
元気のないレタスを50℃のお湯で洗う(浸す)と、シャキッとしたレタスに戻る実験を見たことありませんか?
これは、まさしくHSPの仕業。
熱ストレスにより、HSPが増加し酸化を防御。鮮度が甦ったということです。
HSPとは、さまざまなストレスから私たちの体を守ってくれる、ほとんどの生き物が備えている能力(たんぱく質)です。
この能力のスイッチが、ストレスです。

ストレスというと、精神的ストレスを思い浮かべるかもしれませんが、生物学では、精神的なストレスを除き、温度の変化や紫外線といった物理的ストレス、置かれた環境に酸素や水素があるかといった化学的ストレス、細菌やウィルスなどの侵入によって引き起こされる生物的ストレスを意味します。

私たちの生命は、このようにストレスを敏感に感じ取り、遺伝子スイッチを切り替えています。
ただ、必ずしもすべてのスイッチをオンにすれば良いわけではありません。
大切なことは、オンとオフを適度に働かせることです。

では、私たちはこのスイッチのオン・オフを調整することができるのでしょうか。
それには、私たち自身の行動がカギを握っています。
健康維持には適度な運動・睡眠・食事が重要です。
心強く前を向いて進もうとするとき、生命力を高め免疫力を高めるスイッチが働くのかもしれませんね。

でも、まだどのようにストレスをコントロールすれば、遺伝子スイッチをうまくコントロールできるのかは、解明されていません。
科学的には、これからの研究の進化が期待されるところです。

コロナ禍のいまだからこそ、想定外のストレスを企業としてもコントロールし、社員の安全確保はもちろん笑顔溢れる職場作りを進めて行くことが求められています。

当事務所では、みなさまの健康経営のお手伝いをさせて頂いております。
健康経営とは、従業員等の健康管理や健康増進の取り組みを「投資」と捉え、経営的な視点で考えて、戦略的に実行する新たな経営手法です。
また、労務管理・労働安全対策の視点からの「法令遵守」「リスクマネジメント」の手法としても注目されています。
お気軽にご相談ください。

2021年4月10日
小林勝哉社会保険労務士事務所 代表 小林勝哉

(参考)
人間のDNAは99.9%共通していた

ヒートショックプロテイン(HSP)とは

メンタルヘルスにおけるストレス

ストレスはどのように健康を左右するのか

がん細胞を自滅させるスイッチ

慶應ヘルスサイエンスニューズレター

・〈危機の時代を生きる〉第10回 遺伝子スイッチという希望 山口東京理科大学 副学長・薬学部教授 井上幸江

健康経営とは 東京商工会議所