■多様な人材の活躍する職場に
(働き方ブログ)
■多様な人材の活躍する職場に
みなさま、こんにちは!
みなさまの身近な職場でも、多様な人材が活躍する姿を見かけるようになってきたのではないでしょうか。
「ダイバーシティ&インクルージョン(Diversity & Inclusion)」という言葉を聞かれたことがあると思いますが、これは個々の「違い」を受け入れ認め合い生かしていくことを意味します。
Diversity & Inclusionとくると外国の概念かと思いがちですが、日本においても地理教育の分野で、この多様性を生かす教育に取り組んでいた一人の教育者がいました。
三澤勝衛(1885~1937)の著作では、教育にとっての地域教育-地理教育論として、
1.根本的理解に立っての教育
2.魂のある教育、魂にふれた教育
3.信念のある教育、信念をもたせ得る教育
について主張しています。
この中で三澤は「教育は教えるものではなく学ばせるものである。学び方を指導するのである。背負って川を渡るのではなく、手を曳いて川を渡らせるのである。」「要は魂と魂との接触でなくえてはならない。否、共鳴でなくてはならない。」と綴っています。
三澤の授業を聞いた生徒たちの声も残っていますが、日本列島全体の法則性を抽出するよりも実は各地域ごとの風土の法則性の抽出を投げかけ、生徒たちに地域・地域の多様性や固有性あるいは相対性を強く認識させるものでした。
この時代に、価値の多様性・固有性・相対性を認識させる教育を進めていたのですから、信州が世界に誇る教育者の一人ですね。
厚生労働省が2016年8月に「働き方の未来 2035:一人ひとりが輝くために」懇談会でまとめた報告書においても、少子高齢化の時代を迎えるにあたり、多様性の中からこそ新しい価値創造が生まれるとしています。
この報告書では「少子化、高齢化による人口減少、労働力人口の減少、加えて地方は過疎化という大きな課題に直面している。女性、男性、若者、高齢者、障害や難病のある人、失敗した人など、誰にも出番と役割があり、働きがいや生きがいを感じることができる社会にしなければならない。多様性の中からこそ新しいアイデアが生まれ、小さな成功やイノベーションが湧き起こる。一人ひとりの個性と変化のあるライフステージに応じた多様な働き方が共存し選択できる社会を実現したいものだ。」と述べられています。
また、経済産業省でも、企業の経営戦略としてのダイバーシティ経営の推進を後押しするため「ダイバーシティ経営(ダイバーシティ2.0)」の検討を進め、企業が取るべきアクションをまとめた「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」を改訂(2018年6月8日)しました。その他、先進事例の情報発信や、将来の企業経営を担う幹部候補の女性を対象とする企業横断的な「リーダー育成事業」も推進しています。
本格的な少子高齢化の時代を迎えたいまだからこそ、古くて新しいテーマ「ダイバーシティ&インクルージョン(Diversity & Inclusion)」に、ご一緒に取り組んでみませんか?
当事務所では、企業価値向上サービスとして、社員も企業もともにベクトルをあわせた事業の発展に資する就業規則の整備、働き方改革に資する各種認定プログラムの活用による企業価値の向上、などのご支援をさせていただいたおります。
お気軽にご相談ください。
(2020年12月29日)
小林勝哉社会保険労務士事務所 代表 小林勝哉
(参考)
・三澤勝衛
・三澤勝衛の地理教育実践とその特質(盛岡大学)
・厚生労働省「働き方の未来 2035」 ~一人ひとりが輝くために~ (2016年8月2日)
厚生労働省「働き方の未来2035:一人ひとりが輝くために」懇談会
経済産業省「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」 (2018年6月8日)