■同一労働同一賃金の動向

■同一労働同一賃金の動向
(働き方ブログ)

みなさま、こんにちは。
2023年7月は、注目された名古屋自動車学校事件の最高裁判決が出ましたので、同一労働同一賃金の動向について見ておきましょう。

名古屋自動車学校事件では、定年後の雇用にかかる賃金設計に大きな影響を与える可能性があると注目されていました。
しかしながら、最高裁としては、正職員と嘱託職員とで基本給が異なる相違で、各基本給の性質や目的を十分に踏まえることなく、労使交渉の事情を適切に考慮しないまま、一部が労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たるとした原審の高裁に差し戻す判断をしました。

つまり、この最高裁判決では、同一労働同一賃金の判断にあたっては、手当だけでなく基本給や賞与についても、性質や目的を十分に踏まえて差異が存在することが不合理と認められるものかどうかを見ていくという判断法理が確認されたといえます。

定年後の雇用にかかる賃金設計がこれからの高年齢者雇用の安定化にとても重要な意味をもってくる時代に入りました。
みなさまの会社の賃金制度についても、まずは現役社員のみなさまの賃金設計の妥当性を確保できていることを、点検してみてはいかがでしょうか。

当事務所では、【相談顧問】として、全国社会保険労務士会連合会の「社労士診断認証制度」の認証を取得いただけるよう、労務コンプライアンスに取組む企業企業のみなさまの職場改善をご一緒にご支援させていただいております。
(「職場環境改善宣言企業」認証は相談顧問に含みます。「経営労務診断実施企業」認証は別途お見積り。)

社員のみなさまの笑顔あふれる職場作りを、ご一緒に進めてまいりましょう。

2023年7月20日

小林勝哉社会保険労務士事務所 代表
特定社会保険労務士 小林勝哉

(参考)
注目の名古屋自動車学校事件最高裁判決文が公開に 2023年7月20日 (最高裁 判決文

同一労働同一賃金特集ページ 厚生労働省

同一労働同一賃金まるわかりBOOK 2020年11月 東京商工会議所

同一労働同一賃金を巡る注目の最高裁判決の内容と実務対応 2021年1月 労政時報

パートタイム・有期雇用労働法に対応したトラック運送事業者のための同一労働同一賃金の手引き 2021年3月 全日本トラック協会

全国社会保険労務士会連合会「社労士診断認証制度」