■老後資産形成環境の拡充について
■老後資産形成環境の拡充について
(働き方ブログ)
みなさま、こんにちは。
2025年6月13日、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」が成立しました。
これにより、多くの会社員のみなさまにも関係の深い私的年金制度(企業型確定拠出年金(企業型DC)と個人型確定拠出年金(iDeCo)に関する制度)が、2026年4月~12月にかけて大きく変わります。
ここでは、多くの会社員のみなさまにも関係の深い3点の改正について、概要をお知らせします。
1.2026年4月1日施行 企業型DCの拠出限度額拡充(マッチング拠出の制限撤廃)
2.2026年12月1日施行 70歳までのiDeCoの加入可能年齢引き上げ
3.2026年12月1日施行 企業型DC・iDeCo・国民年金基金の拠出限度額引き上げ
以下、簡単に改正の概要です。
1.2026年4月1日施行 企業型DCの拠出限度額拡充(マッチング拠出の制限撤廃)
企業型DCの加入者は、事業主の拠出に上乗せして加入者掛金を拠出すること(マッチング拠出)が可能ですが、加入者掛金の額は事業主掛金の額を超えてはならないという制限が設けられていました。
改正により、事業主掛金の額によらずに、 加入者がそれぞれの状況に応じ拠出限度額の枠を十分に活用し老後の資産所得の確保が可能となるよう、 加入者掛金の額の制限が撤廃されます。
施行後は、加入者(みなさま会社員)が、事業主掛金に関係なく自分の意思でより多くの掛金を拠出できるようになります。
効果として、このようなものが考えられます。
・加入者(会社員)が、自発的に老後資産形成を進められる
・企業としては、マッチング拠出制度の点検の機会となるとともに、加入者(会社員)のニーズに対応した柔軟なマッチング拠出制度が会社の魅力づくりになる
・現行の規約の変更や運用商品ラインナップの見直しが必要となる可能性がある
2.2026年12月1日施行 70歳までのiDeCoの加入可能年齢引き上げ
iDeCoに加入するためには、国民年金被保険者であって、かつ、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していないという要件がありました。
改正により、国民年金被保険者以外の者であっても、60歳以上70歳未満のiDeCoを活用した老後の資産形成を継続しようとする者であって、以下の要件を満たす者にiDeCoの加入・継続拠出が認められます。
下表の(1)~(3)いずれかに該当する国民年金被保険者以外の者であって、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していない者、マッチング拠出を実施していない者
| (1)iDeCo加入者 |
| (2)iDeCo運用指図者 |
| (3)企業年金からiDeCoに資産を移換する者 |
施行により、公的年金への保険料を納めつつ、上乗せとしての私的年金に加入してきた者が、60歳から70歳にかけて老後の資産形成を継続できるようになります。
なお、経過措置として、施行日から3年を経過する日までの間は、上記(1)~(3)に該当しない60歳以上70歳未満の者であってもiDeCoの加入が可能です。
効果として、このようなものが考えられます。
・高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~による就業確保措置と親和性が高い
・加入者(高年齢従業員(シニア世代の会社員))の資産形成支援策として位置づけられる
・加入者(会社員)が、ライフプランに応じてiDeCoを有効に活用できる
・加入要件として「老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していない者」とあるため、65歳以降にiDeCoに加入できる要件としては老齢厚生年金のみ65歳から受給しているが、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金は受給せず繰下げしている人に限られるがiDeCoに加入できる
3.2026年12月1日施行 企業型DC・iDeCo・国民年金基金の拠出限度額引き上げ
改正により、老後に向けた資産形成を促進する観点から、iDeCo・企業型DC・国民年金基金の拠出限度額が引き上げられます。
施行により、第2号加入者(会社員等厚生年金保険加入者)のiDeCoの拠出限度額について、勤務先の企業年金の有無等によらず、iDeCoと企年金等との統一共通拠出限度額について月額6.2万円に引き上げられます。
また、第1号加入者のiDeCoと国民年金基金との共通拠出限度額については、月額7.5万円に引き上げられます。
効果として、このようなものが考えられます。
・老後に向けた資産形成を早くからより積極的に進められる
まだ時間があると思っているあいだに、施行日が近づいてきます。
早めに退職金制度やDC年金制度の見直しの準備を進めていきましょう。
2026年3月11日
小林勝哉社会保険労務士事務所 代表
特定社会保険労務士 小林勝哉
(参考)
・私的年金制度(企業型確定拠出年金(企業型DC)と個人型確定拠出年金(iDeCo)に関する制度)
1.2026年4月1日施行 企業型DCの拠出限度額拡充(マッチング拠出の制限撤廃)
2.2026年12月1日施行 70歳までのiDeCoの加入可能年齢引き上げ
3.2026年12月1日施行 企業型DC・iDeCo・国民年金基金の拠出限度額引き上げ