■一人の幸福に尽くす生き方、SDGsのソフトローに学ぶ
■一人の幸福に尽くす生き方、SDGsのソフトローに学ぶ
(働き方ブログ)
みなさま、こんにちは。
SDGsで掲げる17のゴールを身近な生活の中で実践されている方も多いのではないでしょうか。
ここでは職場の一人の笑顔のために何ができるかを、SDGsのソフトローに学んでみましょう。
SDGsの生みの親は南米コロンビアで外務省の環境局長を務めていた女性です。
「小さな地球の大きな世界 プラネタリー・バウンダリーと持続可能な開発」に「ますます相互依存が進む世界では(中略)世界の誰もが、ほかの誰かの『裏庭』に住んでいる」とあります。
そんな、私たちの身近な人生の宝ものの一つが環境であるとの発想は、コロンビアの母から生まれました。
このSDGsの特徴の一つは、国家間の合意に基づいて権利・義務関係を定めた「条約」ではないという点です。
法的拘束力を有した条約(ハードロー)に対して、共通のゴールをもって働きかけるもので、国際法では「ソフトロー」に位置付けられます。
つまり義務や罰則を定めると、条約を守る・守らないに目が行き対立を生む可能性もありますし、理念には賛同しても条約には加わらないといったポリティカルな差異も生まれる可能性があります。
その点では、SDGsでは共通の目標を掲げつつ、その手段はそれぞれの国や人々にゆだねています。
つまり内発的な力の発露によって目標達成を促すもので、遠回りのようでも究極の解決の道であると言えます。
169の多様なターゲットを定めたSDGsは、あらゆる企業や個人に参画の機会を提供しています。
これは、民衆のエンパワーメント(内発的な力の開花)を促す取り組みでもあります。
地球的な課題に取り組むうえで大切なことは、「人間」の内発性に帰着するということが、現代の共通認識となってきたということでしょう。
これからの時代は、「人間」こそが私たちが立ち戻り、また新たな出発をすべき原点となるでしょう。
こうして考えると、SDGsはどこか終着点があるのではなく、「誰も置き去りにしない」社会の実現を目指し続ける「プロセス」こそ大切なのではないでしょうか。
職場においても、誰もが自分の足場を見つけて挑戦を重ねる中で、笑顔あふれる生き方を見つけていける。
そんな、暖かな一人を大切に、一人の幸福に尽くす生き方をエンパワーメント(内発的な力の開花)していく取り組みが、企業にも求められる時代にはいったと言えます。
当事務所では、社員の笑顔あふれる職場作りへ、就業規則やテレワーク環境の整備、また教育研修のお手伝いをさせて頂いております。
お気軽にご相談ください。
2021年11月4日
小林勝哉社会保険労務士事務所 代表
社会保険労務士 小林勝哉
(参考)
・SDGsの生みの親、コロンビア外務省 パウラ・カバジェーロ氏
・小さな地球の大きな世界 プラネタリー・バウンダリーと持続可能な開発
・ビジネスと人権 ─ソフトローの役割 法律時報2019年9月号から
・ソフトロー論の系譜 法律時報2005年7月号から