■副業・兼業の推進への取り組みについて

2020年9月4日

(働き方ブログ)

■副業・兼業の推進への取り組みについて

みなさま、こんにちは。残暑の中にも、秋の風を感じるようになってきましたね。

副業・兼業の推進は、働き方改革実行計画の中にも盛り込まれている政府の重要政策ですが、
そのガイドラインの見直しが予定されており、第163回労働政策審議会労働条件分科会(令和2年8月27日)において、
改訂版案が公表されました。

今回の改定版案では、労働時間の申告等や通算管理における労使双方の手続上の負担を軽減し、
労基法に定める最低労働条件が遵守されやすくなる簡便な労働時間管理の方法として
「管理モデル」という方式が設けられています。

この「管理モデル」の考え方は、副業・兼業の開始前に、当該副業・兼業を行う労働者と
・時間的に先に労働契約を締結していた使用者(以下「使用者A」という。)の事業場における法定外労働時間と、
・時間的に後から労働契約を締結した使用者(以下「使用者B」という。)の事業場における労働時間(所定労働時間及び所定外労働時間)と、
を合計した時間数が単月100時間未満、複数月平均80時間以内となる範囲内において、
各々の使用者の事業場における労働時間の上限をそれぞれ設定し、
各々の使用者がそれぞれその範囲内で労働させることとするものです。

また、この「管理モデル」における時間外労働の割増賃金の支払いの考え方は、
・使用者Aは自らの事業場における法定外労働時間の労働について、
・使用者Bは自らの事業場における労働時間の労働について、
それぞれ自らの事業場における 36 協定の延長時間の範囲内として割増賃金を支払うこととするものです。

実際に副業・兼業を行うに当たっては、労働者と企業の双方が納得感を持って進めることができるよう、十分にコミュニケーションをとることが重要ですね。

さて、企業として考えてみると副業・兼業を無条件に許可することはできませんので、例外的に副業・兼業を禁止又は制限することができるとの就業規則の規定を設けておく必要があります。

改訂版案の中で示されている裁判例を見てみましょう。

副業・兼業に関する裁判例においては、
・ 労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由であること
・ 例外的に、労働者の副業・兼業を禁止又は制限することができるとされた場合としては
 ① 労務提供上の支障がある場合
 ② 業務上の秘密が漏洩する場合
 ③ 競業により自社の利益が害される場合
 ④ 自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合
が認められています。
このため、就業規則において、
・ 原則として、労働者は副業・兼業を行うことができること
・ 例外的に、上記①~④のいずれかに該当する場合には、副業・兼業を禁止又は制限することができること
と規定しておくこと等が考えられます。

企業においては、就業規則に副業・兼業に関する規定を設けておくことは、時代の必須です。

当事務所では、社員がのびのびと価値発揮できる職場作りにつながるよう、就業規則の改定の
お手伝いをさせていただきたいと考えおります。

お気軽にお問合せください。

(2020年8月29日投稿)
小林勝哉社会保険労務士事務所 準備室 代表 小林勝哉

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