■デジタル人材のリスキングとポータブルスキルの獲得を

■デジタル人材のリスキングとポータブルスキルの獲得を
(働き方ブログ)

みなさま、こんにちは。
近年、人工知能などデジタル技術の活用が進んでいます。
ビジネスシーンにおいては、技術だけでは役に立ちません。
技術スキルに加えて、技術をビジネスに使いこなすスキル、さらには業種を超えてビジネスを推進するスキルが求められる時代に入りました。

デジタル田園都市国家構想関連施策の全体像では、デジタル人材の育成目標の実現に向けて2024年度末までに年間45万人の育成体制を構築する目標が掲げられています。
デジタル人材を育成するにあたっては、まずどのような人材を育成するのかについてデジタルスキル標準を定める必要があります。
そこで、経済産業省とIPAではデジタルスキル標準として2つのスキル標準を定めました。
ビジネスパーソンがDXに関するリテラシーを身につけ変革により行動できるようになるための「DXリテラシー標準(DSS-L)」と、DXを推進する人材の役割や習得すべきスキルなどを定義した「DX推進スキル標準(DSS-P)」の2つです。
DSS-Lには、IT技術以外にコミュニケーションや問題解決などのビジネス上で必要なソフトスキルにも重点を置いています。 つまり、技術だけではないということです。
DSS-Pには、もちろんサイバーセキュリティに関するスキル標準も定められています。

企業のDXおよびデジタル課題に関する実態調査(MMD研究所)によると、企業活動においてデジタル化の推進を考えている企業の割合は63.1%で、大企業では8割を超えており、デジタル化の波は大きく企業活動を変えようとしています。それらの企業の課題認識としては、「デジタルスキル格差」「IT人材不足」がトップを占めています。
このことから、社員一人一人が日々の業務にあわせて自発的にリスキリングを行い、より生産性の高い人材に成長していくことが、企業内外における人材競争力を高めていくことにつながる時代に入ったとも言えます。

厚生労働省では、労働市場の流動化や兼業・副業が推奨される現在、社員一人一人が人材競争力を高めていくにあたっては、職種の専門性以外に、業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のスキルである「ポータブルスキル」を高めていくことが重要だとしています。
ポータブルスキルの要素としては、「仕事のし方(対課題)」と「人との関わり方(対人)」の類型において9要素あります。【仕事のし方(対課題)】は仕事における前工程から後工程のどこが得意かをみており、【人との関わり方(対人)】はマネジメントだけでなく、経営層や、上司、お客様など全方向の対人スキルをみています。

また、人生100年時代における高年齢社員戦力化にあたって、中央職業能力開発協会CSCワークショップ研修においても、ミドル世代の社員からのプラットフォーム能力が重要だとされてきました。
このポータブルスキルは、プラットフォーム能力の一つの具体例と言えます。

当事務所は、テレワーク専門社労士としてテレワーク・セキュリティの組織ガバナンス構築のご支援やデジタル庁デジタル推進委員としての啓発活動を進めており、中央職業能力開発協会CSCワークショップインストラクター高齢・障害・求職者雇用支援機構70歳雇用推進プランナーとしても活動しております。

これからの企業に求められるデジタル人材のリスキングとポータブルスキルの獲得プログラムの構築を、ご一緒に進めてまいりましょう。

2023年5月17日

小林勝哉社会保険労務士事務所 代表
特定社会保険労務士 小林勝哉

(参考)
デジタル田園都市国家構想関連施策の全体像 2021年12月28日 デジタル田園都市国家構想担当大臣 若宮健嗣

デジタルスキル標準について 経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課

デジタルスキル標準 「DXリテラシー標準(DSS-L)」と「DX推進スキル標準(DSS-P)」 IPA

サイバーセキュリティに関するスキル標準 IPA

企業のDXおよびデジタル課題に関する実態調査 2022年2月16日 MMD研究所

ポータブルスキルおよびポータブルスキル見える化ツール 厚生労働省

CSCワークショップ研修プラットフォーム能力 中央職業能力開発協会

70歳雇用推進プランナー 高齢・障害・求職者雇用支援機構