■在宅勤務で心の不調に気づいたら

2021年3月8日

■在宅勤務で心の不調に気づいたら

(働き方ブログ)

 

みなさま、こんにちは。

厚生労働省によると、2020年の全国の自殺者数(速報値)は前年比3.7%(750人)増の2万919人で、前年を上回るのはリーマン・ショック直後の2009年以来、11年ぶりとなっています。

 

今年は10都府県で緊急事態宣言延長が決まったことから、在宅勤務でだれとも話ができず漠然とした不安感を持つ社員が増えることも予想されます。

新型コロナウィルス感染症の対策として在宅勤務を導入されている企業も増えてきました。

在宅勤務において起きやすい社員の変化には特徴がありますので、職場でもケアを心がけていくことが大切です。
・孤立感、サポートの減少、気持ちの切り替えにくさ
・そもそも在宅勤務が行いにくい自宅環境など
・メールやチャットなどの文字によるコミュニケーションが主体に
(誰とも会話しない状況が何日も続く社員も)
・長時間労働に陥りがち
・社員の心の不調に会社は気づきにくい

このような在宅勤務に伴う変化の特徴を踏まえて、会社には社員の心の不調のサインを見逃さない工夫が求められます。
・社員のパフォーマンスの変化に注意
(変化に気づけるように「仕事の見える化」を図っておく)
・始業時間の遅れに注意
(睡眠障害、睡眠リズムの乱れ、日内変動なども)
・変化に気づいたら早めの声がけ
(時間を確保して1 on 1ミーティング、同僚等からの情報も参考に)

 

一方、社員が個人でも取り組めることとして、具体的なセルフケアの方法を指導していくことも大切になります。

・これまでの生活リズムを維持する
(休養・睡眠をしっかりとり朝に太陽光を浴びる、日ごろ通勤の時に行っていた頻度の運動を意識する、規則正しい食生活を心がけ暴飲暴食に注意、など)

・気持ちを切り替えることを意識する
(子どもと一緒に一日の時間割を決めて仕事と休憩をしっかり区切りながら業務を行う、在宅勤務であっても着替えやお化粧など外出の準備をして仕事モードにする、作業終了時に道具を片付け気持ちも仕事から離れる、作業終了後は気になることがあっても仕事に戻らない、1時間に1回は休憩しストレッチや気分転換を、ヘッドセットでWeb会議を快適に、など)

・上司・同僚とのコミュニケーションを図る
(業務の開始・終了の報告以外に困っていることや進捗について短時間でも音声・ビデオ通話で話をする、これまで以上に報告・連絡・相談を意識してこまめに行う、ときには雑談タイムとしてランチミーティングなど、いつもの体調が違うとか気分が優れず仕事が思うように進まないときは上司に相談する、など)

・今、この瞬間の自分を大切に
東京大学の「いまここケア」、マインドフルネスを使った呼吸法、行動活性化、身体活動、睡眠をケアできる、今の自分を大切にすることで安心できる)

・相談窓口を持っておく
社員が気軽に相談できるしっかりした相談窓口が整備されていますので、安心して相談してみたらいいよ!と社員の皆様にもお知らせしてあげてください。

 

相談窓口については、厚生労働省が「まもろうよこころ」のサイトを開設しています。

こちらのサイトでは、電話相談窓口SNS相談窓口法テラスや金融サービス利用者相談室、さらには自殺の危険を抱えた人に気づいて適切にかかわる「ゲートキーパー」に関する研修テキスト、などが掲載されています。

また、どこに相談したらいいか分からないときは、こちらの「支援情報検索サイト」からキーワードで相談先を検索することもできます。

 

当事務所では、社員の笑顔あふれる職場作りへのお手伝いをさせていただいております。

お気軽にご相談ください。

 

2021年2月5日

小林勝哉社会保険労務士事務所 代表 小林勝哉

 

(参考)

厚生労働省 自殺の統計:最新の状況

警察庁の自殺統計に基づく自殺者数の推移等 (令和3年1月22日)

東京大学

いまここケア

・厚生労働省 「まもろうよこころ」サイト

電話相談窓口

SNS相談窓口

法テラスや金融サービス利用者相談室

ゲートキーパー

支援情報検索サイト

新宿区ゲートキーパー養成講座

Youtube配信(令和2年12月15日(火)から令和3年3月31日(水))